オーバーローン不動産についての財産分与

夫婦で購入した不動産をどうすべきかは、離婚の際の大きな問題のひとつです。残った住宅ローンを誰が払っていくのか、不動産は誰の名義にするのか、保証人の問題はどうするかなど、問題はさまざまです。   不動産の処理については、二つの場合に分けて考える必要があります。

⑴ オーバーローンとなっていない場合

たとえば、今、不動産を売却すれば2000万円で売れるのに対し、ローン残額が1500万円であるとします。この場合には処理の方法はさほど難しくはありません。 この場合、不動産の価値がローン残額を上回っていますから、もし不動産を売却してローンを返済すれば、手元に500万円の現金が残ります。そうすると、この住宅には現在500万円分の価値があると考えることができますので、原則としてこの500万円を2分の1ずつ分配すればいいのです。 具体的な分配の方法としては、不動産を売却し、500万円を2分の1ずつ分配する方法、あるいは、夫または妻いずれかが住宅に住み続けたまま、住宅から出て行く方に対し、500万円を一括ないし分割で支払うという方法が考えられます。

⑵ オーバーローンの場合

たとえば、不動産を売却すると1000万円で売れるけれども、ローン残額が1500万円あるという場合です。これがオーバーローンという状態です。   土地の価値はバブルなどがなければそれほど大幅に価値が下落するということはありませんが、建物は購入して住み始めると価値が急激に下落していきます。他方で、住宅ローンは通常20年、30年といった長期の返済が予定されていますから、すぐには減りません。そのため、不動産を購入して年数を経ない内に離婚する場合には、オーバーローン状態になっていることがほとんどです。   この場合の処理方法は非常に困難を伴います。   オーバーローンの場合は、不動産を売却して精算するという方法について、銀行がなかなか応じてくれないうえに、仮に売れても売却代金で精算し切れなかった債務が残ってしまうからです。  

ⅰ.住宅から出て行く夫が住宅ローンの支払いを続けて、妻子が住宅に住み続ける

この場合の処理方法として考えられるのは、まず、たとえば住宅から出て行く夫が住宅ローンの支払いを続けて、妻子が住宅に住み続けるというものです。   そして一般的には、住宅ローン完済後に名義を移すなどの処理をします。ただし、この場合、夫には大変な負担が伴います。夫は自分の住居費と住宅ローンの二重の負担を抱え、さらには妻側に対し養育費も支払わなければいけないからです。   その際、夫側からよく主張されるのは、住宅ローンを支払っているのだから養育費から住宅ローンを控除してほしいというものです。しかし、現在の家庭裁判所の運用では、基本的に住宅ローン全額を控除するということはありません。不動産が夫の名義である以上、居住していなくても住宅ローンの支払いが夫の財産形成にもなっているというのが理由です。   では、いくら控除するのかという点についてですが、住宅ローンの2割ないし3割ほどを養育費から減額するという方法が多いかと思います。しかし、実際には、裁判官の見解も一致しておりませんので、担当する裁判官によってかなり幅のある処理となっているのが現状です。   夫が自分で購入を決めた不動産なのだからと腹を括って支払いを続けると言えば話は簡単なのですが、なかなかその覚悟は容易ではないでしょう。自分が住みもしない住宅のローンを支払いたくないという直感的な拒否反応から、なかなか支払いに応じられないということもままあります。  

ⅱ.住宅に住み続ける妻側で住宅ローンを支払う

もうひとつの処理方法は、住宅に住み続ける妻側で住宅ローンを支払うといったものです。妻が正社員で給与も安定しているなどの条件がない限り、住宅ローンの支払義務者を妻に変更することは銀行が応じませんので、実際には夫が支払義務者となったまま、妻が支払いを行うということになります。   当然、これに対しても妻は給与が少ないのにその中から住宅ローンを支払うことはできないとの反論があり得ますので、この解決も容易ではありません。   上記のいずれが良い解決かということはありませんし、それぞれの夫や妻の納得の問題になります。  

まとめ

以上のように、オーバーローン状態の不動産についての処理は大変な困難を伴います。また、養育費から控除する額についても、見解が一致していないことから、調停委員や裁判官から不利な解決を強いられることもあり得ます。   不動産の処理を伴う離婚の場合には、ぜひ弁護士へ相談されることをおすすめします。

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