自転車事故高額賠償に関する裁判例のご紹介

歩道と車道との区別のない道路を歩行中の62歳主婦の原告が、対向してきた11歳の少年の運転するマウンテンバイクに正面衝突され、頭蓋骨骨折等の傷害を負い、自賠責1級1号(植物状態)の後遺障害を残した事案につき、神戸地方裁判所は、少年の母親に対して損害額約9500万円の支払いを命じました。その理由として、少年は小学生であったため責任能力がなく、監督義務を負っていた母親が賠償責任を負うこと、また母親の自転車運転に対する指導や注意が十分ではなかったとして、母親の監督義務違反が認められることを挙げています。 近年、歩行者対自転車の交通事故が増加し、自転車事故には社会的にも関心が高まっていますが、自転車事故の問題点として、自動車事故における自賠責保険のような強制保険及び後遺障害認定の制度がないこと、そのため被害者による後遺障害の立証が時として困難を要すること、加害者について賠償資力の問題があることが指摘されています。   上記のとおり、被害者側として見た場合には、自転車事故について立証の難しさがあると言えます。   そして、この裁判例は、監督義務者である親権者の責任について厳格な判断を下したことで注目されていますが、加害者側の立場から見た場合には、自転車事故で任意保険に入られている方は未だ少ない中、自転車事故でも高額賠償を負い得る可能性が十分にあるということには留意して頂きたいと思います。

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