交通事故 判例

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)に関する判例

名古屋高裁平成23年3月18日判決 被害者 :32歳男性 症 状 :左腸骨骨折、外傷性硬膜外血腫等で脳脊髄液減少症 損害賠償:   この事件では、32歳の男性が、歩道線内側を歩行中、乗用車に衝突され、左腸骨骨折、外傷性硬膜外血腫等で脳脊髄液減少症等後遺障害を残したとして約1,900万円の損害賠償を求めて訴えを提起しました。 ところが、1審津地裁伊勢支部は、脳脊髄液減少症との診断が本件事故後3年程度経過してからなされたこと等から本件事故と脳脊髄液減少症との因果関係を否定しました。   これに対し、名古屋高裁は、この男性が、事故の直後から一貫して頭痛を訴え、特にその頭痛は起立時に増強することを訴えていたこと等から、男性の症状は、起立性の強い頭痛が本件事故直後から発生していること、また、髄液の漏出が客観的方法によって確認されていること等から、本件事故と外傷性脳脊髄液減少症との間の因果関係を認めました。   交通事故に基づいて低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)を発症したとき,加害者等に損害賠償を請求していくために必要な法律上の要件がいくつかありますが,特に問題となる要件は,その損害が事故に起因していること(因果関係)です。 これまでの裁判例においては本症例を否定する傾向が続いていましたが、本判例とその後の同時期の大阪高裁平成23年7月22日判決においては、本症例の因果関係が認められています。しかしながら、これら二つの判例の後も、地裁レベルで本症例を否定する厳しい判決が出ていますので未だ本症例についての見解は一致をみたとは言えません。 現在、厚生労働省の脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究班が、脳脊髄液減少症(漏出症)の診断基準を作成しているとのことですが、同基準の発表があれば、今後、裁判所においても、その基準に従うことが予想されますので、まずは広く本症例を認めるような基準の発表が待たれるところです。 しかし、本症例に関しては、これまで医学界の見解の一致がみられず、また、本症例の否定判決が相次いでいたことなどから、現段階では、残念ながら損保料率機構や保険会社との交渉レベルで本症例が認められることは非常に困難と言わざるを得ません。そのため、本症例の治療費を請求し、本症例を原因とした後遺障害の認定を受けるためには、裁判を提起し、裁判所で認めてもらうことが必要です。  

自転車事故高額賠償に関する判例

歩道と車道との区別のない道路を歩行中の62歳主婦の原告が、対向してきた11歳の少年の運転するマウンテンバイクに正面衝突され、頭蓋骨骨折等の傷害を負い、自賠責1級1号(植物状態)の後遺障害を残した事案につき、神戸地方裁判所は、少年の母親に対して損害額約9500万円の支払いを命じました。その理由として、少年は小学生であったため責任能力がなく、監督義務を負っていた母親が賠償責任を負うこと、また母親の自転車運転に対する指導や注意が十分ではなかったとして、母親の監督義務違反が認められることを挙げています。 近年、歩行者対自転車の交通事故が増加し、自転車事故には社会的にも関心が高まっていますが、自転車事故の問題点として、自動車事故における自賠責保険のような強制保険及び後遺障害認定の制度がないこと、そのため被害者による後遺障害の立証が時として困難を要すること、加害者について賠償資力の問題があることが指摘されています。   上記のとおり、被害者側として見た場合には、自転車事故について立証の難しさがあると言えます。   そして、この裁判例は、監督義務者である親権者の責任について厳格な判断を下したことで注目されていますが、加害者側の立場から見た場合には、自転車事故で任意保険に入られている方は未だ少ない中、自転車事故でも高額賠償を負い得る可能性が十分にあるということには留意して頂きたいと思います。

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